顕在意識と潜在意識



顕在意識とは表層意識とも言われ、私たちが日々認識している意識や感情、気持ちの事を指します。それに対して潜在意識というのは、その文字の示すごとく、私たちの深層にある意識を指します。潜在意識は普段はあまり前には出てきませんが、私たちの顕在意識は、潜在意識にある過去の記憶や私たちの信念を探り、考え、判断を下し、行動を決定しています。

ここでは、特に催眠療法とかかわりのある潜在意識についてお話していきます。

◎潜在意識は人間の意識の90〜95%を占める
人間の行動は常に顕在意識により決定付けられていますが、顕在意識が判断するのは潜在意識の中にあるあなたの信念や過去からの行動、習慣、記憶です。つまり、自分で自分であると認識している意識は、5〜10%でしかないということなのです。顕在意識が結果ならば、潜在意識はその原因だということが言うことができるでしょう。その原因がプラスのものであれば、結果もプラスになります^^
しかし簡単に潜在意識になんでもかんでも詰め込むことは出来ません。
「○○をやりたいはずなのに出来ない」ってことはありませんか?
それは、顕在意識が「○○をやりたい」と思ってそれを潜在意識に通そうと思っても、意識の潜在意識への浸透を妨げている、「それを習慣づけるかどうか、信念とするかどうかの判断機関」があるのです。
たとえば、あなたがダイエットするためにカスタードプリンを断ち切りたいと思ったとします。でも、潜在意識-あなたの過去-には、カスタードプリンを毎日食べるという習慣がつけられていますので、判断機関は習慣でなかったものをいきなり習慣付けるよう動くことはなかなかできず、プリンを食べるのを止めることはできません。それらを覆すほどの大きな感情を伴うきっかけがない場合は行動変革は難しいのです。しかし催眠状態においては、その「判断機関」が眠っていますので、「カスタードプリンを食べない」という暗示を受け入れることが出来ます。しかしそれでも本人にとって不都合な暗示、受け入れられない暗示は潜在意識には入らないのです。

平常時にネガティブな思考などが、本人が望んでいないのにも関わらず定着するのは、潜在意識にとってはネガティブに考える事が身を守る手段だと・・・それが自分のためになることなのだと思い込んでしまうからなのでしょう。

◎潜在意識は忘れない
潜在意識は過去にあった記憶や印象などをすべて記憶しています。潜在意識は心臓の動きや消化、まばたきといった体のすべての管理を支配し、眠っているときでさえ休むことはありません。それだけでなく、過去からの習慣や体質もここに記録されています。そして忘れることはありません。
こんな話があります。
ある7歳の男の子は、海に着いた途端嬉しそうに海に飛び込んでいきました。しかししばらくしたら吐き気をもよおし海からあがったのです。その男の子は、2歳のときに海でおぼれて一命を取り留めた経験がありました。その男の子にその時の記憶はありません。しかし、海に入ったことで潜在意識はその意識の奥にあるおぼれた時の記憶を呼び出し、「ここは危険だ!!」というサインを身体に送ったのです。

◎潜在意識は想像と現実を区別しない
これは催眠のメカニズムの、レモンの例であげたとおりです^^
ドラマや漫画でよくあるような想像妊娠なんかも脳が想像を現実だと思い込んだ例ですね。
妊娠してないのにつわりが来るんですよね。
また、過去に私が催眠を行った方は、階段を下りるイメージのときに足がぴくっと動いたとおっしゃってました。
病は気からとも言いますが、これは嘘ではないんです。
いやなことを想像しただけでどきどきするのもこれに当てはまります。実際にそれは目の前では起こっていないのですから。

◎潜在意識に否定文Notは通用しない
今、私が「アオカビの生えたパンを想像しないでください」「ピンク色に紫のぶちのあるパンダのことは今は考えないでください」といったら、あなたは本当にそれを想像しないでいることができるでしょうか?たいていの場合、そのひどいパンや奇妙なパンダを想像してから、そのイメージを脳から消し去るでしょう。催眠療法で暗示を与えるときも、肯定文で肯定的に行います。
否定文を使えば、たとえ一瞬でも否定的な場面を想像してしまうからです。

◎潜在意識は問題を解決する
潜在意識は、その人の人生がよりよい方向に行くよう、過去の記憶を探ったりいろいろな発想やインスピレーションなどを利用して問題解決をしようとします。はっと突然ひらめくアイデアは潜在意識の賜物です。
しかし、あなたのなかに否定的な思考がいっぱいだったら、過去の記憶や信念を探っても失敗して自己否定したことばかり思い浮かんで、良い方法が思い浮かびません。問題解決できず困った潜在意識は肉体や神経に対して、鬱や自律神経失調症、神経性胃炎などのネガティブな反応を起こさせる場合があります。そういうときには、なんらかの方法で新しい解決策を得たり、良いインスピレーションが働くように潜在意識に良いイメージを与えてやる必要があります。そう、催眠療法などで。


暗示の3つの法則
催眠療法では、以下の点を注意して暗示文を作成します。
人間は想像力と意志の力が対立すると、想像力のほうが勝ってしまいます。しかし想像力に指示を出すことも出来るのです。良い状態をイメージして脳に定着させられるよう暗示分はかなり気を使います。

○反復の法則
同じ事を何回も繰り返していると、自然に定着してしまいます。
考え方や振る舞い、価値観は、それによって受け取った情報が反復されたときに習慣となってかえってきます。TVのコマーシャルも、一回聞いただけでは覚えられないでしょうが、何回も同じようなフレーズを聞いていると覚えてしまい、そのコマーシャルの心地いい感覚が商品と結びついて、売り場に行ったとき一番にその商品に注目してしまいます。

○反作用の法則
ある事柄について必死になるほど、それが出来なくなります。寝よう寝ようと思ってもなかなか寝付けなかったり、タバコを止めようと思っても、タバコはもう吸うまいと思うたびにタバコを吸った時の事をイメージしてしまうので、かえって習慣性が戻ってきてしまうようなことがこれにあたります。つまり、意志の力だけでは問題解決には結びつかないのです。何かを達成できる人は、意志の力だけでなく、成功したときにやってくる素晴らしい可能性や未来を夢見るなど、想像力などを使っていることが多いです。
何も考えずにがむしゃらにやるのではなく、それをやり遂げた上で起こる肯定的な結果をすごく求めている(=イメージしている)から最後までやり遂げることが出来るんです。

○優勢の法則
強い感情を伴う体験をすると、それまであった習慣が書き換えられてしまいます。
野球のボールを上手くキャッチャーミットに入れようとしている少年がいるとします。
最初は上手く入りません。何度やってもストライクになりません。
しかし先ほどの反復の法則のことを考えると、この少年はコントロールのなさでは
天下一品になってしまうはずです。しかしこの少年にはボールをミットにいれるという
強い感情があります。すると、潜在意識はボールを適当にミットあたりをめがけて
はずして投げることよりも、なんとかストライクにしようという方向が優勢に働きはじめます。
その結果ストライクになったとき、少年の心には達成感が広がり、失敗し続けた体験を忘れ
潜在意識がその感覚を記憶するので、徐々にストライクになりやすくなっていきます。
また、先ほどカスタードプリンの例を出しましたが、 毎日カスタードプリンを食べて
気がつけば激太りしている自分に気がついたとき、そのショック=強い感情で
習慣として定着させるかどうかの脳の「判断機関」をふっとばして潜在意識に
「カスタードプリンを食べてはいけない!」と伝えることもあるということです^^
※参考文献 あなたにも出来るヒプノセラピー A.H.クラズナー著